猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

灰色、あるいはグレー

灰色、あるいはグレー。

重く暗く、胸の真ん中が染まっていく。

「若い」と呼ばれる数字が先行していた年頃、

曇りの日は敵だった。

 

灰色、あるいはグレー。

そうだ、シルバーも。

重く暗く、胸の真ん中が埋まっていく。

 

汚れも目立ちにくいしどこにでもある。

どんな色にも合わせやすい。

カラフルなTシャツを選んで少し後悔を覚えても、

灰色が助けてくれる。

そうだ、今は。

 

時間をかけてわかることは、

世界中にとてもたくさんあるのに。

 

私たちは走り去っていくのだ。

ひとり残らず。

 

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