2020-09-23 暴風域 詩人は嘘をつく 汲み置きの水を もういちど確かめて 今日はもう眠ってしまおうと 思った いつ消えるかと 電灯を気にしつつ 薄明るいまま 目を閉じる 台風情報とやわらかなお喋りに うとうとする頃 ごおと窓がしなった どうあっても砕けはしない 言い聞かせても音に翻弄され 仕方ないので寝転がったまま 小説を読み始める 文字を追ううち とろとろと スマホを取り落とす寸前 今度はごおとドアがうなった